GlacierBayTrip2007

2007年6月4日~6月22日

 

目次

1:プロローグ

   

2:Eeast arm

 一日目:Bartlett cove  →Sturgess Island  35.5㎞

 二日目:Sturgess Island →Mcbride glacier43.5㎞

 三日目:Mcbride glacier →CurtisHillsの麓52.5㎞

 四日目:CurtisHillsの麓 →Garforth Island39.7㎞

 五日目:Garforth Island →Sebree Island近くの島10.5㎞

3:West arm

 六日目:Sebree Island近くの島 →Russell Islandの対岸58.8㎞

 七日目:Russell Islandの対岸 →Mt.Parkerの麓62㎞

 八日目:Mt.Parkerの麓 →Mt.HughMillerの麓45.5㎞

 九日目:Mt.HughMillerの麓 →Leland Island31㎞

 十日目:Leland Island →Bartlettcove 32.8㎞

4:エピローグ

   

5:informaition

   


 

■遠征動機・場所の選択理由

  グレイシャーベイを最初に選んだ理由は、前回の遠征動機で記述しているので今更書く必要もないのだが、今回の遠征をレポートにまとめる際、もう一度「何故、グレイシャーベイなのか?」を考えてみた。
 まず、最初にグレイシャーベイを知ったのはいつだったのだろうか。
 おそらくそれは、星野道夫さんの「アラスカ 光と風」を読んだ時だと思う。星野さんがクレッパーのカヤックでグレイシャーベイを旅する話を読んだのが、グレイシャーベイを知るきっかけとなったと思う。だけどその時これといってこの場所に興味があったわけではなかった。ただ、単純にアラスカにはこのような場所もあるのだな…という事しか理解していなかったと思う。
 もっとカヤックを漕ぐFieldとして意識しだしたのは、インサイド・パッセージというものを知ってからだろう。アラスカ、カナダ間にある、氷河の後退によってできたフィヨルド地帯。多くの水路が織りなす多島地帯だ。この水路を伝って、北米大陸をカヤックで旅することがある種のカヤッカーのステータスだと考えるようになっていた。それは人力地球縦断の九里徳泰さん、グレートジャーニーの関野吉晴さん、バイダルカのジョージ・ダイソン、そして多くのここを漕いだカヤッカーの話など、色々な事が要素としてあるが、その中でもやはりカヤックとは別に、この土地に興味をもたらしたのが星野道夫さんの「森と氷河と鯨」という本だった気がする。
 東南アラスカ、深い森に覆われ苔むした島々と、そこに崩れ流れる氷河。栄養豊かな海にめがけてやってくる鯨達。それまでのアラスカの荒涼としたイメージとは違い、島国も自分には同じ島という空間、黒潮の影響だという気候の場所に住んでいるぶんだけ、親しみ深い。中でもシャチの存在が気を引いた。ネイティブのクリンギット族やハイダ族のアートには多くの動物達が描かれており、この独特の絵、世界観も何か得体の知れない興味を抱かせた。 
「まずアラスカに行くのならば、東南アラスカに行きたい」
 ユーコンでもなく、デナリでもなく、北極圏でもなく、僕はアラスカの第一歩を東南アラスカに求めた。その結果、一番ピンポイントでカヤックのフィールドとしてすぐれていそうなのがグレイシャーベイだと踏んだのだと思う。東南アラスカでカヤックを漕ぐと決めてネットで調べていたら、「カヤックしに海外へ出かけよう」というサイトを見つけ、ここにグレイシャーベイの情報が載っていたのも好都合だった。
 こうして僕はグレイシャーベイを漕ぐと決めて前回旅立った。
 
 ところがこれが事前の情報不足でうまく事が進まず、グレイシャーベイに行きながらも、グレイシャーを見ることが叶わなかった。
 それでも確かに初めてのアラスカは衝撃的であり、十分にこの時は満足して旅を終らせる事ができた。でも、やはり、核心に迫る事もなくグレーシャーベイを去った事は心残りだった。
 一口にグレイシャーベイに行ったと言っても、本来ピックアップ船に乗って降ろしてもらうべき場所にも行っていないのでは、ほとんど意味がない。これではクルーズ船に乗った一般の観光客の方がグレイシャーベイを知っている事になる。よりディープな部分が知りたいがためにカヤックで旅しているのに、これではみも蓋もない。
 いつかリベンジしてやると企んで3年目。いろいろあったが、ついにその雪辱をはらす事ができた。
 もっと違う場所にも行けばいいのにという声もあったが、自分の考えに妥協はしたくないし、納得しないと気がすまない。実際、今回の遠征は本当に行ってよかったと思う。正直、僕は前回の遠征で何を得たのかわからなくなるほど、今回の遠征でこの土地のすばらしさを目の当たりにした。一度来た事があるのにも関わらず、何もかもが新鮮に感じられた。さすがアラスカ、さすがグレイシャーベイ。多少の宿題も残してくれたが、十分満足行く遠征となった。

■遠征のテーマ

 今回の遠征は大きく分けて以下のテーマがあった
①無補給で一週間以上のツーリングをする
②一日40㎞以上の漕行
③熊対策

 ①は、ジュノーからガスティバスまでの移動の際から重量を抑えなければならず、あまり大量の食料を持ち込むことができなかった。その為、いつも食にはこだわってしまう僕なのだが毎日同じ物ばかりをひたすら食べる事になった。

 いつもの自給自足作戦だが、今回は釣りを結局しなかった。理由は情けないのだが、ライセンス料が思いのほか高かった事と、ロッドを購入しなかった事。サーモンの時期には早く、釣れるかどうかもわからないロックフィッシュ、ハリバット狙いで高額のライセンスを買うのもアホらしいので、結局やらなかったのだ。一匹でも釣れれば張り合いもあるが、一人では時間も心も余裕がないので漕ぐ事に専念した。今考えると勿体なかったかもしれないが、当初はそれで全然後悔なかった。

 水に関してはいたるところから雪解け水が沢となって流れているので困る事はまったくなかった。

 燃料は1ガロンのホワイトガソリンを用意したが、2週間使っても十分余った。YAIMAexpeditionの時と違い、今回はほとんど焚火は行わず、クッキングストーブで煮炊きを行った。理由はよりスピーディーに食事がとりたい、すぐに場所が移動できる、環境への配慮、流木が少なく濡れているなど、多々あり。

 ②は、白夜とまではいかないが、日照時間が18時間と長く、朝6時から夜7時まで漕ぎ続ける事もあり、必然的に漕ぎ続けて一日60㎞漕ぐ日もあった。潮の流れに乗ると思いのほかスピードが出るので、その影響かもしれない。

 ③が最大の課題、テーマだった。この熊の存在が、このフィールドでの遠征をより快適にするか、苦痛以外の何物でもなくするかの最大のファクターだった。
 以上の経過を踏まえ、遠征を計画。実行した。

期間

:2007年6月4日~6月22日
(うち、Backcountry:9泊10日、BartlettcoveCampground:5泊6日)

ルート

:BartlettcoveからBeardsleeIslandsを経てEastArm。MuirGlacier到着後、折り返してWestArmへ。TarrInletのGrandPacificGlacier、MargerieGlacier到着後、LamplughGlacier、ReidGlacier、BlueMousecoveを経てBartlettcoveに戻る。

使用艇

:Feathercraft・K1expedition

使用パドル

:NIMBUS・Green land paddle

装備一覧

シーカヤック

Feathercraft:K1expedition

パドル

NIMBUS:GreenlandPaddle

予備パドル

Feathercraft:コーモラント

PFD

Tracksオリジナル

スプレースカート

feathercraft :ナイロン

チャートケース

seattle sports:Utility Chart Case M

コンパス

    

地図

NATIONAGEOGRAPHIC:GlacierBay Nationalpark and Preserve

潮見表

現地でもらえる

カート

feathercraft :パックカート

修理・メンテナンスセット

Boeshield T9、Aquaseal、Cotol-240、予備船体布各種etc・・・テープ類ダクトテープ、ガムテープ、ビニールテープ

ドライバック

seattlesports :エクスプローラードライバッグMD(20リットル) ×2
FISHERMAN :ドライバック ×1feathercraft :おまけについてくる奴 ×2

ビルジーポンプ

Scotty :ベクソンポンプ

テント

DUNLOP:R-324

タープテント

mont-bell:ミニタープHX

スリーピングバック

mont-bell:スーパーストレッチダウンハガー♯1

マット

mont-bell:U.L.コンフォートシステムパッド180 

ストーブ

MSR:ウィスパーライトインターナショナル

コッヘル

snowpeak :SCS-010F

燃料ボトル

900ml×1

   

ヘッドランプ

National :BF-262

ベアーコンテナ×2

米約5kg、パスタ2kg、インスタントラーメン×7、ツナ缶×5、ショルダーベーコン約2kg、マヨネーズ、コンソメ、バター、ガーリックソルト、醤油、ライム×3、玉ねぎ×17、行動食(スニッカーズ、キャラメル)、砂糖1kg、紅茶、インスタントコーヒー

魔法瓶

   

アーミーナイフ

WENGER :スイスチャンピオン

剣鉈

兼常作

バックパック

LOWEALPINE :contourⅣ(90+15)

メッシュバック

   

ロウソク

現地購入

軍手

   

水タンク

CascadeDesigns :platypus6L
5Lポリタンク

歯ブラシ

   

ライター

現地購入

裁縫セット

針と糸

予備電池

単三×6 単四×6 

蚊取線香

   

ファストエイドキッド

   

ジップロック

現地にて購入

トイレットペーパー

   

貴重品

パスポート、財布、T/C、カード類コンタクトレンズ

リール

シマノ:バイオマスター3000PE2号

各種釣具

現地にて購入

デジタルカメラ

OLYMPUS :μ-600DIGITAL

ハウジング

OLYMPUS :PT-026

三脚

   

メモリーカード

XD-PICTURECARD 512M×2 1G×1

バッテリー×4

   

筆記用具

   

手帳

   

レインウエアー

mont-bell:レイントレッカー上下

パドリングジャケット

mont-bell:ツーリングジャケット

パドリングシューズ

mic:ダイビングシューズ

長靴

アングラーズハウス:ニーブーツ

キャップ

mont-bell:グアテマラキャップ

ニットキャップ

ウール製

偏光グラス

コンビニで購入した物

Tシャツ

化繊×3

セーター

ウール製×1

ソックス

ウール製×1、化繊製×2

パンツ

化繊×2 コットン×1

フリースジャケット

ユニクロ

ダウンジャケット

LOWEALPINE